グラフィックデザイナー 澤辺さんのDV被害者支援、縁色(ゆかり色=紫色)のむすび札。

 仕事からプライベートの自分に戻るとき、または家から出かけてちょっと自由になったとき、出会った人におしゃれな名刺「むすび札」を差し出してみてはいかが。むすび札は、グラフィックデザイナーの澤辺由記子さんが、失恋した友だちを元気づけるために作った恋のお守り名刺。100枚に一枚、恋にまつわる古今和歌集の一句が、ささやかにプレゼントされている。「これから素敵な恋ができるよ。素敵な人に出会えるよ」と恋を成就するために作った特別な名刺。
 むすび札はコミュニケーションツールのひとつだと澤辺さんは言う。ビジネス名刺とは違うソフトなデザインのものに対して、ひとは素直に反応する。差し出した時に「あっ、かわいいね」と褒められることが嬉しくて、つい会話がはずむ。DVのサバイバーたちにも、こういう喜びと楽しいひとときを過ごしてほしいという願いから、澤辺さんは今回特別にむすび札の文字を紫色にしてくれた。暴力という支配のもとで、サバイバーたちはいろいろなものを奪われていく。そのなかでも、殊更に奪われてはならないもの、守らなければならないものは自分。新しい出会いがあったときには、むすび札を差し出そう。「素敵だね」「かわいいね」と少しだけ褒められるから。相手からのちょっとした反応は、自分に少しだけでも関心を持ってもらえたのかなと思える。こういったほんのひとことの褒め言葉で、自尊心が少しずつ回復していくのではないか。
 「ひとから受けた暴力の傷は、ひとからのやさしさで癒されるべき」澤辺さんは、新しい出発を前にしたサバイバーたちに、新しい自分のために身分証明書としてむすび札を使ってもらえることを願っている。ちょっとずつ喜ばれたり褒められたりすることで、ちょっとずつ自信につながっていくようにとの思いとともに、むすび札は丁寧に手作りで届けられている。

むすび札についての詳細とご購入はtemp pressまで。

temp pressでは印刷後の印刷ローラー掃除の際、クラフト封筒のフラップ部にインクを吸い取らせて染めた「tinted envelope S, M, L」という名の活版印刷所のまかない封筒を制作しています。ゆかり色で染められたtinted envelopeは、パープルアイズのむらさき屋にて販売され、その売り上げはDVの防止啓発活動に役立てられます。

(ジャーナリスト 松元千枝)